今後衰退すると思われる企業とは【人事失敗編】

上司と部下 社畜の労働日記
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企業が衰退する主な要因は「時代の変化に対応できなかった」だけではありません。

昔ながらの気合と根性論だけでなく、人事制度の失敗でも企業は容易に衰退するのです。

特に人事権を持つ人が「偏見人事」をすると目も当てられない状況に。

 

若手くん
若手くん

最近、転職する人が増えて各課の仕事の質が落ちている気がします。

毎月のように異動や入退社が多くて名前も覚えられないよ(;´・ω・)

社畜
社畜

各部署の管理職責任もあるけれど、恐らく人事の対応が目先対応で、異動させられる社員のことを「単なるピース」でしか考えていない可能性があるかもね

おはこんばんにちは、社畜です(=゚ω゚)ノ

以前に書いた「今後衰退すると思われる企業とは(一族経営編)」が思いのほか読んで頂けている事に多少の戸惑いと、意外と同じ企業が多いのだなと感じています。

一族経営が起こす企業の衰退進行は、経済成長時の成功経験を引きずり続ける典型的な例です。

これと同じくらいに企業を衰退させるポイントに「人事の失敗」があります。

残念ながら日本の企業風土は人事による人材の流出が起きたり、適材適所に人員配置されなかった人事を行っても「人事部に責任はない」という何とも不条理な仕組みとなっています。

全ての企業が該当するわけではありませんが、得てして中小企業では高確率で「人事の失敗」による企業損失が発生しているのですが、この問題が取りざたされる事はないのです。

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そもそも人事の役割とは

 



有能な人材が長期に渡り個人のスキルや適性を最大限に活かされるポジションへ配置するのが人事の最大のミッション。

経験を積ませ、会社に貢献できる知識を身に付けさせ将来の幹部・経営者候補を育成する高度で遣り甲斐のある仕事です。

社員の実績や情報をデータ管理し、思い込みなどの不確定要素を排除しながら客観的視点で次のミッションを与え、個人の希望に最大限添える環境を整備する。

人事の理想とは「戦力になる人材を育て上げる道標を用意する」ことで、配属先の管理職などとも綿密に情報交換を行いながら中長期的な育成で事を進めなければなりません。

次第に「決定権がある」と勘違いしてしまいがちに

人事で衰退する企業の特徴に「人事が力を持ちすぎる」といった過ちが特徴的です。

自身が会社の経営を担っていると、変な錯覚に陥り「自身の価値観だけ」で人事異動を決行してしまったり、「その場凌ぎの補填人事」を行うようになると、企業の衰退は一気に加速します。

私が勤める会社も「その場凌ぎ人事」が横行し始めた頃から、社員の流出が顕著に目立つようになりました。

彼等にとって「社員は数合わせのピース」のような思考に変わり始め、該当する課や個人の事情、将来設計に関係なく人事を決行してしまいます。

大企業なら「人事異動の意義」を丁寧に説明したり、事前に該当する課と綿密な打ち合わせを行うのですが、衰退する企業の人事は「決定ありきの事後報告」で話を進めがちです。

昭和・平成社員の会社への依存度意識に気がつかない

特に大変なのは「人事に従うのは当たり前」と勘違いし、デリケートな異動であっても配慮の無い人事を決行する事です。

そこには「転職してしまうかもしれない」という会社にとって大きな損失を考えることなく「無計画人事」を行う事で、今までお金と時間を投資して育てた人員が簡単に転職してしまう事に人事は気が付きません。

もっと悪い状況になると「辞めてしまう事に罪悪感すら感じず」に「じゃあ誰を代わりに当てがうか」と、異動がパズルゲーム化している危機的な状況に「気がつかない振り」で状況をクリアさせようとしてしまいます。

平成生まれの子達は、昭和生まれの人と違い「転職に抵抗が少ない」ので、希望する仕事ができないのなら新しい環境を求め次のフィールドへ転職してしまいます。

終息しない人の流出と人事異動

このような状況に会社が陥ると「人事担当への社員からの信用は皆無」となり、人事側も「個人的都合は考える必要なし」と冷戦状態のような殺伐とした空気に変わっていきます。

異動した社員の精神的フォローも、表面的なカウンセラーの配置程度で「対策は行いました感を重視する公務員」の様な実績作りだけとなっていきます。

社員を抜かれた課の人も、人員の補充があるまで業務過多となり「補充するなら経験者を抜くな」と、人事の方針に不満や不信感を抱き始め、全てが負のスパイラルへと進みます。

その結果、次々と貴重な人材が会社を去り、新たに入社した人を「最初から再教育」する事となり、負担だけが現場に残された社員に重くのしかかるのです。

失敗と気がつかず、間違いも認めない日本の人事体制

そんな状況に陥り現場が混乱していても「そこを改善するのがあなたの仕事では?」の一言で一蹴してしまい、責任や失敗を認めない人事担当者が多いのは残念な事です。

残された課の社員や管理職は「それがあなた達の仕事」と責任転換され、徐々に愛社精神が憎しみや不満へと変わっていくのですが、人事担当者は「人事は簡単な仕事ではない」と自分達が高度な仕事をしていると勘違いし、徐々に残された人員を「次は何処に異動させようか」と、人を動かす事ばかりに意識が行き、一番大切な「人を育てる事」がお座なりになっていきます。

気がつけば車内は社歴の浅い社員ばかりに

異常なまでの人事異動の頻発により、若手から中堅クラスの人員が社外へ流出し始めると、残るのは自身の保身しか考えない無能な上司や社員だけとなり、気がつけば社歴の浅い人材と、在籍年数「だけ」が長い人材の中間層空洞状態の体制ができあがります。

こうなると社内業務や営業力、今まで気が休まる事無く黙々と確実に業務を熟していた人材や、様々なトラブルを事前に防いでいた有能な人材の流出が加速し、企業としてのトラブルも増加し、信用度やレベルの低下が起こります。

本来であれば「トラブル要素を事前に防ぐ」ことに優秀だった人材も「トラブルを解決したから優秀」だと間違った人事評価により、日の光を浴びなかった「隠れた貴重な人材」を失う事で、次々にトラブルが発生し始めるのですが、時すでに遅しで「対応しきれない数や質のトラブルが乱発」し始め、社歴の浅い社員へ大きな負荷がかかる事で更に人が流出する事になります。

プライドが高い人は人事に不向き

これは非常に重要で、プライドが高い人が人事権を保有してしまうと、人事に対する異論を社内の人間が発する事ができなくなります。

酷い場合「あいつは気に入らないから出世させない」「あいつは仕事ができない人間」などと個人的な価値観で人を判断し、周囲の意見に耳を傾ける事ができずに最悪の人事が続くのです。

話し合いができない、自分の考えを聞き入れてくれないと感じた社員は「この会社に残る意味がない」と、転職活動を行い脱出を図るでしょう。

こういう行動が起こせる社員には優秀な人が多く、客観的に会社の内情を把握しつつ将来の展望も考えられる、会社としては手放したくない戦力だったりします。

人事担当のプライドは会社運営には何のプラス要因にもなりません。

むしろ会社の繁栄を衰退へと舵を切ってしまうマイナス要因になってしまいます。

今は会社のブランド力は無いと思うのが大切

昔なら有名企業に就職出来たら定年まで勤めあげる事が定番でしたが、時は令和となり個人の生き方や価値観は大きく変わりました。

大企業に勤める事が人生の成功ではなく、自分らしさを発揮できる企業が有能な人材を集める事が可能な時代です。

自分らしさも千差万別な時代に「選ばれる企業」となるには、人事担当者の意識改革と絶え間ない学び、人としての温かみが持てる育成が人事担当に向いている時代になっています。

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