左遷された社畜の訪問販売日記 #3(永遠の愛とは)

愛の形 社畜の労働日記
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人は泣きながら生まれてきます。

人生の最後を迎える時は笑顔で去れる人生を歩み続けたいと思えますか?

人生の最後を迎える瞬間、私は笑顔で「ありがとう」を家族に伝えたい。

 

おはこんばんにちは、社畜です(=゚ω゚)ノ

不定期更新の左遷社畜の訪問販売日記、今回は私が契約したお客様から突如解約連絡が入ったので訪問してみたお話です。

解約された理由に驚きながらも、一途に人を愛し続けたご夫婦の愛の軌跡です。

それでは今回も「左遷されてもポジティブ思考」で参ります(`・ω・´)シャキーン

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3ヶ月前にご契約されたお客様から解約の連絡が入る

 



いつものようにダラダラと訪問販売に勤しんでいた私ですが、会社から「解約希望の電話が入ったが、最低契約月数を過ぎていないので説明に行ってほしい」と半強制的解約防止説得命令が来たので訪問する事に。

契約したお客様は、30代後半~40代前半の奥様だったのですが、とても優しい対応をしてくれ、偶然にも申込するか迷っていたとの事だったので契約に至りました。

旦那さんも「ぜひお願いします」と、清々しい感じだったので「良いお客様に出会えたな~」と嬉しかったのを覚えています。

そのお客様から突然の解約連絡となると少々疑問があったのですが、昨今増加している急なリストラや給与カットで厳しくなったかな?と思いつつご自宅へ訪問。

訪問して知る事実に言葉を失う

インターホン越しに「漆黒企業の社畜です、ご解約のご連絡を頂いたので契約内容のご説明に改めて伺わせて頂きました~」と営業スマイルで話しかけると、何も返答がないまま静かにドアが開きます。

🐮「こんにちは、以前に契約でお邪魔させて頂きました社畜です。その節はありがとうございました」

👨「突然の解約ですみません。色々と事情がありまして」

と、何やら申し訳なさそうに話してくるご主人にそれとなく交渉を開始

🐮「何かお気に召さなかったでしょうか(^^;)、解決できる事であれば対応させて頂きたく・・・」

👨「全然不満はありませんよ、むしろ家内も最後まで喜んで使っていましたし」

🐮ん?最後まで使っていた?

少し会話の内容に不自然さを感じた私は、解約を防止したい気持ちもあったので、ご主人に違う質問を投げかけました。

🐮「あの、最後まで、と言うのは。何かご事情がありましたか?」

👨「先日、家内がこの世を去りました。最後まで社畜さんの商品も使わせて頂いていましたし、何一つ不満はありません。ただ、私も前に進むため色々と家の物を整理しようと思いまして。もちろん違約金もお支払いするつもりです」

🐮「あ、え、スミマセン。変な事を聞いてしまいましたね」

最後まで貫き通した夫婦愛

旦那さんは契約から解約に至るまでのお話を説明してくれました。

ひょっとすると誰かと話したかったのかな?とも感じ最後までお話を聞く事に。

私が訪問営業した時には既に奥様は末期ガンだったそうです。

若いゆえにガンの進行も早かったらしく、このまま入院生活を続けるか、自宅療養を希望するかの決断を迫られ、奥様は自宅療養を選ばれたそうです。

その二日後に私がノコノコと訪問営業に来たらしく、奥様が希望したのでご主人も快諾して契約をされたそうです。

この時、医師から受けていた余命宣告は6ヶ月、最低契約月数も6ヶ月でした。

最後は握手のみの会話に

最後の方は、既に会話も難しくなっていき「YESなら手を1回握る」「NOなら手を2回握る」がご夫婦の会話になったそうです。

ご結婚されて僅か8年で襲ったご夫婦への悲劇。

元々体が弱い方だったらしく、お子様に恵まれる事もなく奥様は最期を迎えられたそうです。

高校時代からの同級生、ご主人は色々と高校時代からの思い出を話して下さいましたが、私の中では葛藤が続きます。

こんな素晴らしい人から解約金を貰ってよいのか、なぜ私にこんな話をしてくれるのだろうか、と。

奥様が気にされていた解約金

予想以上に病気の進行は早かったらしく、常々奥様は「解約金かかっちゃうから頑張って生きないと」とお話されていたそうです。

🐮・・・いや、そんなタイミングで俺は物を売りつけていたんかい!

自分は正直に気持ちを伝えて生きているだろうか

会社から身に覚えのない理由で左遷され、それでもポジティブ思考で日々「緩い感じで生きている」のが私の日常で、自分の知らない苦労や悲しみと懸命に戦っている人がいる。

誰かへの態度や会社に対しての不満を無責任に愚痴っている人がいる一方で、残された僅かな時間を必死に生きている人がいる。

ほんの小さな幸せが、何よりも大切で尊い事なのを私達は「いつもの日常」と過信してしまい、そこにある幸せに気がつかず日々の生活を何となく送っている。

これから旦那さんは再就職のため、最愛の人を失った傷も癒えないのに生きるための行動を起こさなければならない社会の現実。

それはネガティブではなく、ポジティブに考え行動するにはあまりにも辛い事。

再婚の道もあるのでしょうが、旦那さんは「最期の奥様の笑顔が忘れられない」と話されていました。

更なる左遷を覚悟で上司を説得する事に

ここまでお話を聞かされて「でも解約金下さい」とは、さすがに言える状況ではないので解約を受理して商品を引き下げて帰る事にしました。

🐮・・・あ~、たぶん怒られるよな~

なんてスーパーネガティブ思想全開で会社に戻る時に閃いた解決策。

「そうだ、俺の契約ミスにしてしまえ」

そして神は私に味方した

会社に戻り引き下げた商品を倉庫に戻している時に奇跡はおきました。

👩「社畜さん、夕方に古い在庫を処分するから、処分するならこっちに避けてください」

🐮「あれ?処分する日は違う日でない?」

👩「部長が在庫管理キチンとしていなかったから証拠隠滅するみたいですよ(笑)」

部長の証拠隠滅無能処理キタ――(゚∀゚)――!!

🐮「ったく、あの無能上司め」

と、一応の体裁を取り繕って、回収した商品を在庫処分スペースへ移動(笑)

残ったミッションは解約手続きなのだが・・・・。

🐮「👩ちゃん、お願いあるんだけど(^^;)」

👩「なんですか?私にできる事なら手伝いますよ」

🐮「実はね、カクカクシカジカで、最低契約期間前に解約受けちゃってさ」

👩「社畜さん、それ結構他の営業さんも普通に処分してますよ」

🐮「はえ?(;・∀・)」

👩「未経過解約書類作って提出しても、部長何も中身見ないで承認してますから」

部長、今日ほどアンタを心強く思った日はないぞ。

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