副業からFIREし、経済的自由を勝取る事は実に美談です。
しかし、残念ながらFIRE後に悲惨な結末を迎えている人も多いのは事実で、その事を語る人は少ない。
FIREを本気で目指すなら、想定外のトラブルも想定し備えなければならないのです。
おはこんばんにちは、社畜です(=゚ω゚)ノ
コロナ禍で給与が減り、会社の未来に不安を抱く人が増えた事で副業が本格的なブームになっています。
「会社勤めを辞め副業一本で生活」と、日夜努力を続けている人も多いでしょう。
フリーランスという言葉も聞き慣れた昨今、多くの人が本業と副業の考え方や捉え方を勘違いしている気がしてなりません。
副業が「副業であるのが一番効率が良い」という点について、生粋の社畜である私の主観を書きたいと思います。
副業を本業にしてはデメリットが多くなる
副業は「本業があってこそ」という事を忘れてはいけません。
以下に勘違いしている代表的な思考の相違を並べます。
副業でFIREしか考えていない
もっとも典型的な思考だと思います。
副業が軌道に乗り、本業の収入を上回り始めるか、近づき始めた頃に勘違いする代表的な例です。
フリーランスや独立する事が悪いのではなく、副業での今の収入が永続的に続くと錯覚を起こしFIREする事しか考えなくなる事が大きな問題です。
一般企業でも業績が良いときは「このまま右肩上がりで事業拡大」と考える会社もありますが、急速な発展は土台作りが疎かになりがちで、ほんの少しの歯車の狂いから加速度的に業績の悪化や信用を失う事が多い事例です。
特に投資系ではない副業で短期間でFIREする、しようと考えている人は高確率で失敗する事となりますので、理由も以下で書きます。
本業あってこその新しい収入源と考えられない
副業を始める理由は経済的不安や生活の余裕を求める事が主な理由です。
頑張った結果がストレートに収入として反映されることにより「本業以上の遣り甲斐」が生まれることでしょう。
しかしながら、副業を頑張れるのは「本業の収入という強力なバックボーン」と「失敗しても収入はゼロにはならない安心感」から来るものです。
副業で悠々自適な人生を送ることができるのは「一握り」である現実を直視する事です。
SNSなどで「月収○○○万円」の自慢話は「言語を巧みに利用した表現のマジック」が99%です。
そもそも論ですが、実際に大金をコンスタントに稼いでいる人は「稼いでいる事実を自慢しません」し、赤の他人に稼ぎ方なんて教えません。
有料で教えるものは「ほぼ稼げなくなってきた手法」で「情報弱者へ高く売りつけ最後の一稼ぎ」をしたいだけです。
本業の収入があるからこそ、新しい挑戦が可能であり、失敗してもやり直しができるのです。
副業で成功する鍵は「本業」と「副業」の両輪で運用する事。
FIREは魅力ですが、特に若い頃は両輪での運用の方が早く資産構築できます。
副業を本業にするための勉強や事前調査が適当すぎる
副業が順調に成果を出し始め、いよいよFIREを決行したとしましょう。
独立後に様々な税金や維持費が必要になり、サラリーマン時代よりも、あらゆる面で不遇を受ける事実を事前に調べ、数字を把握していましたか?
今までは複雑怪奇な税金の支払いや、還付制度を会社があなたの代わりに計算や手配をしてくれていました。
しかし、独立すると全ての税金支払いや手続き、還付申請などは自己責任で行わなければなりませんし、放置しておくと追徴課税や、場合によっては資産差し押さえなどの厳しい処分が下ります。
事前に税金の勉強や、サラリーマン時代よりも冷遇される事実を漏れなく把握しておくことを警告しておきます。
サラリーマンが受けられる税制優遇制度を理解していない
日本のサラリーマンは多くの税制優遇制度に守られています。
代表的なのは社会保険制度や金融機関からの信用です。
社会保険制度は社保から国保(主に個人事業主)へ変わった途端に総支払い額が増え、年金支給額は逆に大幅減額されます。
しかも、サラリーマンは社保の納税額の半額を「企業側が負担する法律」になっており、これだけでも大きな恩恵を受けている事を知らない人が多すぎです。
更に、車やマイホーム購入など高額な借り入れをする時も「勤続年数」を軸に「サラリーマンは融資枠の優遇」が個人事業主よりも圧倒的に高いのです。
独立してからクレジッカード作成を申請してみれば一目瞭然で実感できるので、勇気がある人は試して下さい。
審査が通る確率だけでなく、利用限度額がサラリーマンに比べ極端に冷遇されます。
結局はサラリーマン時代以上に大変な事を考えていない
サラリーマンは、会社に労働力と時間を提供する事により「給与」を受取ります。
これは良くも悪くも定額支給(残業は一旦除外)で、年間の収入も計算しやすく「生活基盤がイメージしやすい環境」になるのではないでしょうか。
会社の業績で収入に変動が発生するかもしれませんが、基本的に「勤務していれば給与が支給される」といった、ありがたい環境です。
これが独立すると「結果に伴って収入が上がり」「自分の実力がお金に変わる」といった、実力者にはありがたい仕組みになります。
ところが、独立は「どんなに努力をしても結果が全て」のシビアな世界であり「お金が支払われなければ収入も無い」といった「経理から経営」までを自分一人で熟さなければなりません。
会社員時代は「自分の与えられた仕事を処理すれば給与がもらえる」のですが「フリーランスは全ての業務を自分で対応」して始めて収入になるわけです。
これって、会社員時代より大変な作業になる人も多いでしょう。
でも頑張るしかないですよね。
独立してしまうと、給与が無くなりそれしか収入源がないわけですから。
これって、どっちが良いのでしょうか。
副業で止めておけば良かったなんて思っても後の祭り。
収入源は多い方が良いのですから、無理して収入先を減らすのは後々の想定外の問題発生時に苦労する事は必至です。
サラリーマン以上に精神的ストレスを抱える現実を知っていない
自分の好きな時間に働き、好きなときに休み、やりたい仕事だけして面倒な人とは関わらない生き方。
まさにストレスフリーな究極のワークスタイルで憧れてしまいます。
ですが、現実はそんなに甘いものではないようで、収入確保のために会社員時代以上に取引先へ頭を下げたり、薄利で仕事を受注したり、場合によっては無理難題を受けざるを得ない程に仕事がなかったりと、まさにストレス三昧な日々を送っている人もいるようで。
一人で抱えきれる仕事量にも限界があり、選択できる程の売れっ子ならともかく、現実は「断ったら次の仕事がなくなるかも」との不安が常に隣り合わせになるでしょう。
絵に描いた餅で行動してしまう
順調に仕事で実績が出ていると「それが永遠に続く」と思い「更に仕事が舞い込んでくる」と思うのが人間の深層心理です。
ポジティブ思考は良いことなので否定しませんが、経営者思考としては失格であると言うべきでしょう。
成功者とは「勝って兜の緒を締める」「順調な時こそ不況に備える」「常に今の行動が正しいのか自問する」など、とても仕事に謙虚で紳士に向かい合います。
決して華々しい未来なんて想像せず、常に最悪の事態を頭に入れ来たるべき時に備えるのです。
個人事業主に限らず、一般企業でもこういった頭がお花畑な経営者は存在し「大体が苦労を知らないジュニア世代」に多いようです。
会社員時代に「うちの経営陣は考えが楽観的すぎる」と思った事があるのなら「今の自分はどうだろう」と俯瞰的に自身を客観視して見る事を推奨します。
社会的信用が極端に落ちることを理解していない
会社員時代に何の苦労もすることなくマイカーローンやクレジットカードの新規作成審査が通り、毎月の返済額だけ管理する日々を送っていませんでしたか?
マイホームを購入した人なら何千万という大金を低金利、フルローンで銀行が融資してくれませんでしたか?
これは「あなたが会社員だったから」であり、独立後は全ての金融機関が「手のひら返し」の対応をしてくるので、決して今までが自分の実力を評価してくれていたから、独立しても大丈夫!なんて思わないことです。
特に金融機関は見事に180度対応が変わり「あなたの真の信用度」を痛感することになるでしょう。
クレジットカード会社も金融機関も、あなた個人ではなく「会社員である属性のあなた」を評価していただけにすぎません。
これも日本の会社員の「特権の一つ」なだけなのです。
独立したあなたが得られる信用は「最低でも3期連続黒字決算の証明」ができた頃からでしょう。
初年度が黒字だったからと意気揚々に融資相談に行っても「総合的に審査して融資は難しい」とソフトな断り定型文で帰宅の途に着くでしょう。
それ位に日本の会社員は優遇されている現実があるのです。
FIREする目標設定が低すぎる
これも多いミスです。
100~200万程度の貯蓄でFIREするのは破産するために独立するようなもので、失敗を確定させる要素満載です。
今の経済は非常に不安定で、超低金利時代。
いつ金利が急上昇するのか中々判断が出来ず、物価上昇率も非常に不安定です。
特に災害が異常に多くなり、保険料の高騰や半導体などの部品の納入遅延で多くの生活用品が在庫薄により価格が高騰する事も日常茶飯事で起こっています。
仕事も同様にAI技術の飛躍的な成長により、今後は多くの業態・職種でAIに任せる時代が直ぐに訪れるでしょう。
AIは有名作家の文脈やヒット作品などを分析し「ヒットする文章を作成」する試験も既に行われています。
彼等は24時間365日休まず仕事し、給与を払わなくて良く、培った知識を永遠に保有することが可能です。
知識や経験の継承も「データコピー」で一瞬で完了し、一度覚えた事は二度と忘れる事もありません。
こういう未来が訪れた時、急な体調不良で仕事が出来なくなったときを加味すると、最低でも必要生活費や毎月の固定経費「2年~3年分の貯え」が確保できていないのなら独立するのは危険だと分析しています。
あなたの人生、明日どうなるか予知できますか?
独立して経済的にも精神的にも自由を手に入れる事を追求するのは良いこと。
ただし、準備不足や時期尚早でFIREするのは賢い選択とは言えません。
慎重に進め、あらゆる想定外を想定する事が成功のポイントです。
本業があっての副業が成功のカギを握る
副業収入が本業収入を上回る事は多く、わたしのような大家業は物件を数棟所有するだけでサラリーマン年収を直ぐに超えてしまいます。
わたしの場合、それでもFIREを急がないのは「サラリーマン属性による融資の優位性」と「大家業はサラリーマン業務との並行稼働が楽」な面です。
副業にも多くの稼ぎ方があるので、何が最適化は一概には言えませんが、副業は副業の領域で稼ぎ続ける事が成功の秘訣であると思います。
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