入居者との契約内容交渉は心理戦

クレーマー 社畜流不動産思考
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大家
大家

最近は家賃交渉やクレームの多い入居者が増えてきたな~。

無理な条件でも受けなければ空室が埋まらなくなってきたし・・・。

社畜
社畜

確かに年々提示して来る交渉内容は厳しくなっていますね。

ただ、それは仲介会社さんとの日頃の関係構築などで回避できる場合もあるのです。

私の体験談をお話します。

おはこんばんにちは、社畜です(=゚ω゚)ノ

毎年訪れる一年で最大の山場「春の引越しシーズン」は大家にとって年明け早々に訪れる一年を占う大イベント。

突然の退去や、一向に決まらない空室など、年に2回(春と秋)訪れる大家にとって憂鬱なシーズンです。

私の物件は毎年繁忙期に1~2部屋の空室が発生し、繁忙期の結果によっては半年程度の間、収入の減少が発生してしまう可能性があるので、まさに真剣勝負。

問い合わせがある部屋は良いのですが、日頃から仲介会社との関係構築ができていない大家が突然笑顔で営業をしても、既に多くの大家が同じ目論見で動いているので効果はあまり期待できません。

春と秋の繁忙期に部屋を紹介してもらえないと、一年の間も家賃収入が発生しない事になるので、日頃からの関係構築と柔軟な入居交渉対応を心がける必要があります。

私の場合、先日も入居希望者から入居条件交渉の電話が仲介会社から来ましたが、先方の条件は承認せずに入居をお断りさせて頂きました。

結果として吉と出たり凶と出たりと、判断が正しいかは分かりませんが、今現在で私の判断は間違っていないと納得しています。

今回は入居希望者からの条件交渉と、私が契約を断った理由について書きます。

交渉には時期とタイミング、仲介会社との連携が必要になりますので、空室が埋まらずに悩んでいる大家さんは参考にしてください。

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入居希望者からの交渉は日常茶飯事

インターネットの急速な発達と普及に伴い、不動産賃貸業に関わらず様々な値引き交渉成功の武勇伝がネットに溢れています。

中には「条件を飲めないなら他の店で買う、と言えば大丈夫!」などと誰でも思いつく交渉内容を、自信にあふれた書き込みで自画自賛する人も見受けられます。 

初めに伝えておきますが、企業側も最近では「構いませんよ、お好きにどうぞ」との返しで、結局文句を言いながらも購入していった等の武勇伝返しな書き込みも増えており、完全にいたちごっこ現象が起こっています。

仲介会社との事前交渉対応を打ち合わせておく

私の場合、入居付けは思っているほど仲介会社から交渉の連絡はきません。

理由は「家賃に対して物件の設備や立地が、近隣の競合物件より安い家賃設定」だからです。

これは単なる値下げ合戦ではなく、周囲で一定程度の家賃下落が発生しても問題なく耐えられる物件を最初から購入しており、設備やクロスの張替えなどで部屋の印象を大きく変えたりしながら、希望家賃価格よりも数千円程度の価格を上げて募集をしているからです。

3万5,000円が最終妥協価格の場合、募集では3万8,000円程度に設定して募集をしています。

その上で、仲介会社へ一定程度額の価格交渉権利を一任しているんです。

仲介会社の営業さんも、許容範囲内で商談がまとまる時には、契約後の事後報告で連絡OKのシステムです。

今は入居希望者も事前に希望物件をネットで検索し、候補を絞って問い合わせしてくるので「価格を安くした方が閲覧数が増える」のは事実ですが、私が重視しているのは閲覧数より来店時の営業からの紹介率です。

閲覧数UP=成約率UPと勘違いされている大家さんもいますが、内見まで話が進むと営業さんが希望物件に近い条件の私の物件も案内してくれるのです。

私は普段から仲介会社へ特別な報酬をお支払いしているわけではありません。

退去者が出るたび、入居中から営業さんと意見交換していた新しい設備や、壁紙のデザイン変更を実施するだけです。

この姿勢が営業さん達から評価され「お金をかけて修繕してくれるから良い入居者を案内したい」と積極的に声掛けをしてくれます。

仲介会社と一緒に部屋を作り上げていく大家としては嬉しい限りです。

このため、多少の空室期間が発生しても「質の良い入居者」を案内してくれるので、私の方から「まだ決まりませんか?」とは絶対に圧をかけませんし、営業さんからの相談連絡に素早く対応する事を心がけています。

営業さんも「連絡が取りやすい」「即断してくれる」と言ったプラスの印象もあるようです。

イレギュラーな入居交渉。その内容とは

今回は管理会社のオペレーターからの連絡で、最初は退去連絡かな?と思っていました。

詳しく内容を聞くと入居希望の条件交渉連絡で、入居希望者の条件は以下の通りです。

①敷金・礼金なし ②入居期間は1年間 ③短期解約のペナルティー、退去時に修繕請求なし 

こんな感じです。

ここで私の思考は以下の通りにつぶやき始めます。

①元々敷金・礼金は取っていないけど、客付けしている営業担当は誰だろう? 

②転勤があるかもしれないなら仕方ないが、今の時期(1月後半)で決断するのは早い気がする。違う入居者を待っても良いかも。 

③はぁ?(;´・ω・) という感じです。

②で承諾するか悩んでいたのですが、③で交渉決裂です。 

正直なところ「他の物件を探してください」状態でした。

最近の入居希望者は契約に色々と無策で交渉してくる人が多いのですが、この手の人達は「入居後も色々と面倒ごと」を起こす確率が私の経験上高いです。

特に今回の物件は基本賃料が周囲より安いにも関わらず、更に追加交渉をしてくる人は、入居後も何かとクレーム連絡が多くなる傾向にあります。

営業さん達にも意思疎通を事前にしているので、今回の交渉連絡は意外でした。

で、管理会社の方に「担当は店長さんですか?」と確認すると、聞いた事のない方のお名前が・・・。

しまった!新人の営業さんかも!

新人の営業さんが慣れない中で私の物件を案内した場合、マイルールで「実績を作ってあげよう」と私は決めており、新人さんが困ってしまう返答をした事に気が付きましたが、時すでに遅し。

会社帰りに仲介会社へお詫び訪問

定時で仕事を切り上げ、直ぐに仲介会社へ訪問。

店長が居られたので今回の条件決裂の内容をお話しして「ご期待に沿えず申し訳ありません」とお詫びをしました。

この行動は凄く大切で「大家も苦渋の決断をしている事を営業に伝える」事が互いの信頼を築く事にも繋がります。

店長も担当営業から事後報告で今回の交渉物別れを知ったらしく「社畜さん、全然気にしないで下さい。むしろ断ってくれて助かりました」と意外なお言葉が。

新人営業を脅す入居希望者

話を聞いてみると、以下の状況です。 

転勤族の入居希望者(以降Aで記載)が、先の①~③の条件で部屋を探しに来社。

新人営業さんは私の物件を案内する予定ではなかったが、Aが私の物件に目を付け「大家に交渉しろ」と営業に詰め寄ります。

更に「以前住んでいた●●市や▲▲町の大家は対応してくれたんだから、了承するはずだ」と。

で、困った新人さんは私に電話をせずに管理オペレーターへ連絡をしたと言う流れです。 

会話の中でオペレーターさんが「この時期で1年契約ですと、来年の入居者営業にも時期が遅くなり支障が出るかもしれません」と遠回し気に、私から入居を断って欲しいニュアンスで話して来た事に合点がつきました。

Aはその後も「大家と直接話させろ」とか「俺の部屋が決まらなかったら、どうしてくれるんだ」などなど、完全にクレーマー状態です。

隣で様子を伺っていた主任さん(この方も素敵なダンディーです)も「当店では希望のお部屋を扱う大家様は居りませんので、お引き取りを」と完全交戦状態に突入したそうで。

最後にAは「じゃあ礼金払うから、さっきの条件でOKを取れ!」と・・・・・・・・(。´・ω・)ん?

礼金貰ったら短期解約1ケ月もらうのと一緒じゃん。。。あなた馬鹿なの?と店長やスタッフと一緒に大笑い。

その条件でも入居後にクレーマー率100%なので完全にお断りと無事になりました。

新人営業と急速に距離が縮まる嬉しい誤算

その後、違う入居希望者の内見から戻ってきた新人営業さん。

僕を見つけるなり一目散にお詫びをされました。

僕が怒って来店したと勘違いされたようで、またスタッフと大笑い(笑)。

新人さんへ持参した地元菓子店のお土産を手渡し「期待に応えられずゴメンナサイね(^^)」とご挨拶。

不動産仲介会業は人の出入りも激しく、同業他社や異業種に転職される方も結構多かったりします。

関係が構築できても退職されてしまうと、また新しいスタッフさんと最初から関係構築を新たに築かなければならないので、非常に効率が悪い営業活動とも言えるでしょう。

経営の基本である「信頼」「同等の立場での対話」「相手を信じる」「業者のミスに絶対叱責しない」といった事を遵守していれば、必ず相手は自分の事を忘れずにいてくれます。

この小さな積み重ねが、昔の経営を続ける大家達が、今の時代に生き残れない事をいつか身をもって体験する事になるのでしょうね。

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